はじめに

研究室ではFedora などのLinux サーバ・パソコンの管理を任されております。 今までWindows に触れたことしかなくLinux やCUI に戸惑いを覚えながらも、 少しずつスキルアップしています。
先生・先輩方に教えていただいたり、書籍を読んだりして知識を習得していますが、 Linux に関する各ホームページも参考にしています。 特に、特定のソフトのピンポイントなバグなどは検索エンジンに頼るのが一番です。 しかし、各ホームページの情報は不完全だったり、 その場しのぎの対処法だったりすることも少なくありません。 このページでは、同様の悩みを抱えるFedora, Linux ユーザの参考になるよう、 私が習得した情報・対処法をできるだけ洗練して掲載しようと考えています。
内容・表現ともまだまだ未完成です。 このページの情報を参考にされる場合は、 他の情報源などと比較検討したうえで自己責任でお願いします。

クライアントの設定

この章では、研究室などのLAN 内のクライアント(サーバのサービスを受けるコンピュータ)の設定方法を紹介します。 サーバーが適切に設定されていれば、プログラム・文書執筆・インターネット閲覧などの作業ができるようになります。

OS のインストール

研究室ではクライアントのOSに、Linux ディストリビューションのFedora を採用しています。 Fedora をインストールするには、Fedora 公式サイト のiso イメージをDVD に焼き(ライティングソフトで書き込む必要があります) Fedora をインストールするパソコンをDVD から起動します。 GUI インストーラーが開きますので、指示に従ってインストールを進めてください。
パーティションを設定してハードディスクをフォーマットしますが、 以前パソコンに入っていたデータは全て失われます。 重要なデータが残っていないかどうか、 インストール前に必ず確認するようにしてください。

ネットワークの設定

インターネットや研究室などのLAN 内の他のPC に接続するためには、 ネットワークを設定しておく必要があります。 /etc 以下の設定ファイルかGUI のネットワーク設定ツールで ホスト名、IPアドレス、サブネットマスク、DNS サーバ、Geteway、NIS サーバ などを設定します。詳しくはネットワークの管理者に問い合わせてください。
京都大学内からインターネットなど外部に接続する場合、 プロキシサーバの設定が必要です。

京都大学のネットワーク(KUINS)のプロキシサーバ
アドレスポート
proxy.kuins.net8080

システムのプロキシ設定だけでなく、 yum パッケージインストーラにもプロキシ設定が必要ですので注意してください。

アカウント・ファイル共有、リモートログインの設定

研究室などのLAN 内でクライアントを使用するためには、 他にもいくつかの設定をする必要があります。 NIS(Network Information Service)はLAN 内で アカウント情報やホスト名を共有するサービス、 autofs はNFS(Network File Server)などから ファイルを自動マウントするサービス、 SSH(Secure Shell)は暗号化された 安全なリモートログインを行うサービスです。 これらのサービスを設定すると、 LAN 内のどのクライアントにも自分のアカウントでログインでき、 ログインしているクライアントから他のクライアントに接続して操作することができます。

文書執筆環境 のインストール

研究室での文書の執筆には文章・数式が美しく描かれる組版ソフトLaTeX を利用しています。 文書作成ソフトにはMicrosoft Word が有名ですが、 複合システム論講座では文書で多くの数式を扱いますので、LaTeX のほうが有利です。 (Microsoft Word はバージョン2007以降から数式機能がリニューアルされ、非常に書きやすくなりました。 しかし、数式の右端に数式番号を出せないなど、研究室での文書執筆にはまだ問題点が多いです。)
LaTeX はWord などのようにWYSWYG(What You See is What You Get. 編集画面で見ている状態が、印刷などの出力の状態と同じ) ではなく、コードを書いていく必要があります。 LaTeX については各ホームページでも詳しく紹介されていますが、日本語TeX の第一人者ともいえる 奥村晴彦先生の著書「LaTeX 2ε 美文書作成入門」(技術評論社) で分かりやすく、体系的に解説されていますので、こちらで学ばれることをお勧めします。

LaTeX には様々なパッケージがあります。 代表的なものにtetex がありますが 2006年5月で開発が終了し、texlive へと移行しています。texlive は近年も活発に開発が進められていますので、こちらを使うことを推奨します。 texlive はDVD(iso イメージ)からインストールできますが、 Fedora のyum パッケージにも用意されています。

sudo yum install texlive* xdvik xdvipdfmx AdobeReader_jpn
texlive のパッケージ全て、 日本語対応のdvi ビューワ(pxdvi)、 日本語対応のdvi → pdf 変換プログラム(dvipdfmx) Adobe のPDF ビューワ。

以上をインストールすれば、 platex でtex → dvi 変換、 pxdvi でdvi 閲覧、 dvipdfmx でdvi → pdf 変換、 acroread でpdf 閲覧できるはずです。
ただし、現在yum で配付されているtexlive 2007 は 日本語のLaTeX 文書ではうまく動作しません。 以下に対処法を挙げています。

日本語LaTeX に関するtexlive 2007 の問題点・対処法
プログラム問題点対処法
platexUTF-8 で保存したファイルをコンパイルすると、日本語が文字化けする。 Linux 版pTeXk は文字コードUTF-8に対応していません。 EUC-JP, Shift_JISで保存するようにしましょう。
文字コード変換は例えばvi では、vi file name, :set fileencoding=euc-jp, :wq となります。 また、Shift_JISでコンパイルする場合は、platex --kanji=sjis のオプションが必要です。
pxdvi日本語が表示されない。 さざなみフォントが必要です。 sudo yum install sazanami* をしておきましょう。
dvipdfmx「Can't find encoding file: H」というエラーがでる。 /usr/share/texmf/web2c/texmf.cnf の360行目:ghostscript8.xx のバージョンが正しくない可能性があります。ghostscript を起動しバージョンを確認しましょう。
acroreadAdobe Reader 9 でフォントの埋め込みがされていないファイルを開くと、ゴシック体が表示されず全て明朝体になる。 KozGoProVI-Medium.otf というゴシック体のフォントがインストールされていません。 Adobe のページから旧バージョンのAdobe Reader 8 が手に入りますので、 tar.gz ファイルを展開してフォントを取り出し/opt/Adobe/Reader9/Resource/CIDFont の中にコピーしてください。

プログラム環境のインストール

研究室ではMatlab とC 言語でデータ解析・シミュレーションをしています。 Matlab は行列計算などを簡単に処理でき、電磁界の変化から麻酔の自動制御まで様々な物理現象を扱うことができます。 Matlab 以外はyum でインストールできます。 yum search software name で検索してください。

プログラム環境に必要なソフトウェア
Matlab Matlab の統合開発環境で、プログラムの執筆からグラフ・アニメーションの出力までをこのソフトで扱うことができます。 MatlabはMathWorksの有償のソフトウェアで、大学や研究室単位で購入していることが多いです。 ライセンスの管理者に問い合わせてください。
また、学生はStudent Version を大学生協で購入することができます。 個人のパソコンに導入したいときなどはこちらを利用してください。
GCC GCC(GNU C Compiler) はLinux 標準のC 言語コンパイラです。
Emacs  
vi, vim vi はLinux サーバの設定ファイルを書きかえるときによく利用される、 高機能テキストエディタです。 Linux であればほぼ確実にインストールされています。 vim (vi Improved)はvi のクローンで機能が拡張されており、 Emacs と双璧をなすテキストエディタとなっています。
コマンドモード・入力モードなどモードの切り替えがあり、 初めはとっつきにくいと思いますが、 慣れてくればどんどん生産性が向上していきます。 O'REILLY の「入門vi」 は少し堅いかもしれませんが、vi の操作方法を体系的に学ぶことができます。
管理人の主観ですが、emcas より動作が軽快でシンプルなエディタだと思います。
gedit Gnome デスクトップの標準のテキストエディタです。 emacs, vi ほど高機能ではありませんが、 ショートカットキーがWindows と同じものが多く(Ctrl +Z : 元に戻す、Ctrl + C : コピーなど)とっつきやすいと思います。
gnuplot Matlab には及びませんが、高機能なグラフ出力ソフトです。 公式のgnuplot homepage、 日本語ではnot so Frequently Asked Questions、 書籍では「gnuplot の精義」が参考になります。